
敷地は、川を境に市街地と隣接する市街化調整区域にある。桜並木が連なる川沿いと、敷地を囲むように広がる畑は、近隣住民の日常的な散策路として親しまれている。
診療所併用住宅として90年代初頭に建設されたRC造の既存建物は、シンメトリーの立面や、高さ10mの看板塔、特注のタイルが印象的なポーチなど、街のアイコンとなりうる特徴的な意匠を備えている一方で、周辺に対しては閉鎖的な構えとなっていた。この建物を新たなクリニックへと改修するにあたり、既存の可能性を再発見しつつ、周辺の風景や人々の営みと呼応する、街に開かれた居場所へと再編することを目指した。
具体的には、既存外壁の一部を解体し、建物の前面と背面に新たな開口を設け、西側の川に面した外構から待合を経て、東側のひまわり畑や電車が走る風景へと、視線・風・光が通り抜ける軸線を通した。外構には周辺と連続する植栽と、待ち時間や散歩中に腰掛けられるベンチを設け、入口は間口を広げつつ内側にセットバックすることで内外の境界を和らげている。そして、入口から奥に広がるのどかな風景まで視線を導くように、待合スペースの壁面を緩やかに湾曲させた。軸上の待合スペースは、南側のリハビリテーション部門と北側の診察・受付・処置部門を機能的に分節しながらも全体を緩やかに繋ぐ役割を果たし、スタッフが全体を見通すことができる開放的な平面計画となっている。
素材選定においては、既存との調和を図りながら、ポーチから内部へと連続する木天井や、内外で納まりと色を統一したスチール造作、一枚ごとに表情の異なるタイル、各素材の色を抽出して染め上げたカーテンなどを用いて、多様な質感が利用者の緊張を解きほぐし、リラックスした振舞いを促している。
このように、単なる機能更新にとどまらず、既存建物と周辺環境を丁寧に結び直すことを通じて、街に開いたクリニックのあり方を提示した。


























敷地は、川を境に市街地と隣接する市街化調整区域にある。桜並木が連なる川沿いと、敷地を囲むように広がる畑は、近隣住民の日常的な散策路として親しまれている。
診療所併用住宅として90年代初頭に建設されたRC造の既存建物は、シンメトリーの立面や、高さ10mの看板塔、特注のタイルが印象的なポーチなど、街のアイコンとなりうる特徴的な意匠を備えている一方で、周辺に対しては閉鎖的な構えとなっていた。この建物を新たなクリニックへと改修するにあたり、既存の可能性を再発見しつつ、周辺の風景や人々の営みと呼応する、街に開かれた居場所へと再編することを目指した。
具体的には、既存外壁の一部を解体し、建物の前面と背面に新たな開口を設け、西側の川に面した外構から待合を経て、東側のひまわり畑や電車が走る風景へと、視線・風・光が通り抜ける軸線を通した。外構には周辺と連続する植栽と、待ち時間や散歩中に腰掛けられるベンチを設け、入口は間口を広げつつ内側にセットバックすることで内外の境界を和らげている。そして、入口から奥に広がるのどかな風景まで視線を導くように、待合スペースの壁面を緩やかに湾曲させた。軸上の待合スペースは、南側のリハビリテーション部門と北側の診察・受付・処置部門を機能的に分節しながらも全体を緩やかに繋ぐ役割を果たし、スタッフが全体を見通すことができる開放的な平面計画となっている。
素材選定においては、既存との調和を図りながら、ポーチから内部へと連続する木天井や、内外で納まりと色を統一したスチール造作、一枚ごとに表情の異なるタイル、各素材の色を抽出して染め上げたカーテンなどを用いて、多様な質感が利用者の緊張を解きほぐし、リラックスした振舞いを促している。
このように、単なる機能更新にとどまらず、既存建物と周辺環境を丁寧に結び直すことを通じて、街に開いたクリニックのあり方を提示した。
Direction: Hiroaki Suzuki
Design: Mire Kan, Yoshifumi Hashimoto,
Yusaku Kimura
Construction: Cabbage Truck
Lighting Design: modulex
Environmetal Design: Masamichi Oura
Signage Design: Misako Taoka/REFLECTA,Inc
Curtain Design: some/to
Furniture: Inoueindustries
Steel: Nakamuranaka
Tile: MIZUNO SEITOEN LAB.
Ceiling Wood Paneling: Tanaka Sawmill Ltd.
Landscape Design: EN LANDSCAPE DESIGN
Photographer: Akira Nakamura